行事
2017-06-15
このコーナーでは、家庭学校で行われている行事のいくつかを取り上げています。本校における行事は、四季の特色を生かしたものが多く、それらを通して児童たちの思い出が豊かになってくれることを願っています。
花見の会
5月に「花見の会」が開かれます。お客様をお招きし、花見はもちろんですが、ごちそうをいただきながら、各寮の出し物も楽しめます。
月曜会散髪奉仕
児童の散髪は、遠軽町の床屋ボランティア団体「月曜会」の皆さんにより30年以上にわたって行われています。
1か月半毎の月曜の午前に月曜会の皆さんが来校し、一番広い教室を使って散髪を行います。散髪用の椅子も月曜会から寄贈されたもので、教室に10台以上の椅子が設置された様子はなかなか壮観です。
誕生会
毎月一度、その月に生まれた児童と職員のために誕生会が開かれます。
給食棟で夕飯をとりながら、全校児童・職員で、各寮毎の出し物を楽しみます。
運動会
運動会は、家庭学校最大の行事であり、保護者や前籍校にも案内を差し上げています。遠方からはるばるいらっしゃる保護者や先生方も少なくありません。
家庭学校の運動会の特徴は、競技に関することは当然のことながら、一人一役の仕事の担当、また環境整備も含めて自分たちで創り上げる運動会であるということです。
例えば、グランド周辺はもちろん、広い校内敷地のすみずみまで草刈り作業が入ります。10数基にわたるテント設置、アーチの足場組みも自分たちで行います。
それに加え、この時期は一番牧草の梱包、収納作業が重なることが多く、例年、運動会の総練習の前後2〜3日は午後の全校作業が行われています。児童にとっては練習と作業で大変な毎日が続きますが、これを乗り越えることでひと回りもふた回りも成長することが期待できます。
海水浴
7月末、オホーツク海に海水浴にでかけます。海水浴といっても水温が20度にも満たない、大変寒い中での海水浴ですからあまり長い時間泳ぐわけにもいかないのですが、普段、泳ぐことから遠ざかっている児童達は大変喜びます。
慰霊祭
8月の終わりに、本校物故者を偲び慰霊祭が行われます。物故対象者は、本校職員、本校卒業生です。礼拝堂にお供え物を置き、先人達の霊を追悼します。
相撲大会
9月の初めに相撲大会が行われます。
大会は、小学生の部、中学生の部、中卒生の部、全校の部の勝ち抜き戦のほか、寮対抗戦も行われます。土俵際のうっちゃりや物言いになるような際どい勝負、勝ったと思ったら勇み足で負けてしまう勝負など、どれも熱の入る試合ばかりです。また、土俵際での礼儀作法や裸と裸のぶつかり合いが終わったあとのさわやかな一礼など、学ぶべき内容が沢山あります。
園遊会
10月の初めに、園遊会が行われます。
園遊会とは、各寮、住宅に加え、床屋さんのボランティア団体の「月曜会」、青年会議所や町内の諸団体など普段からお世話になっている皆さんが来校して本館前に店を出し、お互いに食べ物をふるまい合いながら秋の1日を楽しく過ごす家庭学校の伝統行事です。
マラソン大会
春と秋の年2回、校内でマラソン大会が行われます。
コースは小学生が2.5キロ、中学生と中卒生が5キロですが、なにしろ約430ヘクタール(東京ドームの約93倍です)という広大な敷地がありますので、校内で十分コースが設定できてしまいます。
ただ、マラソンとはいっても大半は林道を走ります。
当然、アップダウンがあり、とても過酷な大会です。
研修旅行
10月初旬に、全校で2泊3日の校外宿泊学習に出かけます。パンフレット作りや当日の進行係は生徒代表メンバーで構成されます。
近年の行き先は知床・厚岸・阿寒等の道東地域が多いのですが、家庭学校の児童は全道から集まりますので、児童の多くは初めての道東旅行に、沢山の思い出を作ってきます。分校教員も参加し、宿泊研修や修学旅行も兼ねています。
作業班学習発表会
従来から、家庭学校で行われていた作業班学習に「総合的な学習の時間」のねらいを融合させた形で、11月末の2〜3日間、「作業班学習・総合学習発表会」を行います。連日、各班から、活動日数・人員・作業量・成果・その収支等、年間の事業報告があります。
この行事は、2週間前から特別日課を組み、発表準備に取り組みます。
発表に用いる模造紙の使用量は、150枚以上にもなります。
詳しい発表内容は割愛しますが、内容は自分たちの毎日の暮らしに直結するものばかりです。例えば、校内管理部のみそ作りでは、
・3回の作業、総量617キログラムの材料で、米味噌と赤味噌の2種類の味噌を生産したこと
・家庭学校では、必要最小限の原料を用いて、味噌を製造していることやその製造工程
等を担当児童が模造紙やDVDを使い、分かりやすく説明しました。
作業班学習発表は、家庭学校で大切にされている「働きの教育」「学びの教育」「暮らしの教育」の集大成とも言えるものですが、学校教育導入後も、「教科横断的な学習の視点」「主体的な学習の視点」「職業教育的な学習の視点」を大切にしながら、さらに、発展・充実させていきたいと思います。
木彫
校内のシナの木を使い、一人一人が木彫制作に取り組みます。
近年高価になってきているシナの木は、全て校内で育ったもので、町の製材所で製材し、本校で乾燥させて、校内の木工教室でカンナをかけ、児童に提供しています。児童が作業に取り組む時間に比例して、作品の完成度は見違えるほど進歩します。
クリスマス礼拝・晩餐会
12月23日にクリスマス礼拝・晩餐会が行われます。
森にも建物にも雪が降り積もり、常緑のトド松の枝を、白く柔らかい雪がおおっています。建物の窓に明かりがつくと、その暖かい光彩を受けて、樹々の雪が金色に映えています。除雪された校内の道路は、その両側に延々と雪の塀が続きます。その雪の塀の上に、20メートル程の間隔で手作りのアイスキャンドルが輝き、森の中の道という道がはるか遠くまで、闇の中にはっきりと浮き上がります。
同日、夕方の晩餐会では、お客様をお招きし、ご馳走や聖劇等により、楽しい一時を過ごします。
スキー学習
1月中旬の1週間はスキー学習期間として、スキー漬けの日々を過ごします。
斜度20度、幅30メートル、長さ200メートルの校内のスキー場は、雪踏み・圧雪を含め、全て自分達で整備します。
家庭学校では昔から校技として、スキーを教育活動に取り入れ、とても大切にしてきました。遠軽自衛隊ボランティアの方の指導は、昭和50年から継続して行われてきた経緯があり、分校開設後も基本的にスキーの指導は、自衛隊の指導官の方にお願いしています。家庭学校職員は、その助手を務めたり、児童と一緒に指導を受けたりする形でのスキー学習を行っています。
スキー学習の最終日は、近くのスキー場でジュニアの級別、シニアの級別検定を受け、ほぼ全ての児童が合格します。
一時帰省・残留行事
夏と冬の長期休みに、児童は、2週間程度の一時帰省を行います。
ただし、帰省しない児童に関しては家庭学校に残り、様々な行事に参加します。夏は大雪山登山をしたり、サロマ湖の海釣りにご招待いただいたり、冬は書き初めや餅つきを行います。
留岡幸助先生命日・慰霊登山
毎年2月の5日は校祖留岡幸助先生の命日です。
雪の平和山を登山し、山頂で留岡幸助先生を偲び、礼拝を行います。その後、スキー大会を行い、平和山の山頂からふもとまで、スキーで滑降します。
雪像
2月の厳寒期に、児童は1人1基の雪像を制作します。大きさは縦横2メートル以内です。寮の職員や他の児童は直接手伝うことは許されませんので、大変な作業です。しかし、出来上がりを予想しながら試行錯誤することで、見事な作品が揃います。近年、降雪量の減少により、雪を児童の人数分確保することが難しくなることもあるのですが、何とか継続していきたいと思っています。