2014年10月号
「機関誌『ひとむれ』について(2)」
校長 仁原正幹
9月発行の903号で機関誌『ひとむれ』の歴史や現況についてお伝えしたところですが、10月発行の本905号でもその続きを記載させていただくことにしました。先月号と今月号の間で通巻号数が1号飛んでいるのは、『創立100周年記念誌=ひとむれ』という印刷・製本された冊子が通巻904号として9月24日の創立百周年記念式の日に発行されているからです。
読者の皆さんはもうお気づきのことと思いますが、今号から『ひとむれ』月刊号についても、『朗読会』と併せて手書きを廃して活字に切り替えることにしました。ほんの数ページの小冊子とはいえ、毎月1日発行を厳守してきた『ひとむれ』と『朗読会』の作成には実は非常に苦労してきました。毎月月末になると、締め切りギリギリに集まってきた原稿を2人の女性職員が手分けして手書きで版下を作成し、それを印刷して郵送の準備をしているのですが、通常業務の合間を縫っての作業であり、いつも綱渡りのような状態でした。
近頃ではほとんどの原稿がパソコンのワープロ機能で作成されており、既に電子化され活字となっているものをわざわざ手書きに変換する作業をしています。さらには、手書き故に文章の修正やレイアウトの調整にも手間がかかり、大きな負担となっていました。永年愛読していただいている方の中には熱烈な手書きファンもいらっしゃるようですし、私としても84年間続いてきた手書きの伝統を途絶えさせることには正直躊躇いもありましたが、近年の慢性的な人手不足の状況もあり、効率的な事務遂行と誌面の一層の充実を図るために、思い切って活字化に踏み切らせていただくことにしました。どうかご理解のほどお願いいたします。
余談ですが、『ひとむれ』84年の歴史の中でも、活字化を希求していたことがあったようです。前号でもご紹介しましたが、『ひとむれ』誌は元々生徒の自治会「一群会」の機関誌として出発したものであり、昭和9年発行の『人道』(これも家庭学校の機関誌ですが)誌面の「一群會の近況」という文章の中に、「一群會の出版部も発展して活版印刷機を設置して日刊の『一群』を発行するやうになったらどんなに愉快のことだらう。」という記載が残っています。
ということで、新装成った『ひとむれ』と『朗読会』をお届けします。引き続きご愛読いただければ幸いです。
百周年記念式のことについては、次号に記させていただくつもりです。