入所と退所

入所

 しばしば、手紙や電話で子供を預かって欲しいと依頼されることがありますが、そうした社会的養護にかかわる相談は各地にある児童相談所の業務です。

 本校の生活が本人の将来のためにも望ましいという児童相談所の判定・措置決定により、私たちは少年を受け入れ、その指導に当たります。

 かつて、突き刺すような目に取り囲まれていた少年たちは、虚勢をはり大いに悪ぶっていました。

入所後、少年たちの表情はなごみ、次第に童心を取り戻します。そこから、一歩一歩、少年の確実な成長を期待して、本校でのさまざまな生活が始まるのです。私たちにとっては、形にあらわれた非行は問題ではありません。なぜ、そのようなことをしたのか、せずにはいられなかったのか、その少年たちの内側の心が問題なのです。

退所

 現在の本校の暫定定員は41名。年間出入りする児童はそれぞれ20名前後。平均的な入所期間は1年半から2年となっています。しかし、小学校3年で入所する児童もいれば、中学卒業後の少年が入所することもあり、また、高校生寮から定時制高校に通う生徒もおり、一人一人の在校期間はおのずから長短があります。私たちは少年の訴えに静かに耳を傾け、社会や大人に対するその深い不信を取り除きたいと願っています。

 退所後のアフターケアにも力を入れ、しっかりと少年たちの歩みを見守っていきたいと心に期しています。